マン島はモータースポーツだけでなく、あらゆるスポーツが盛んです。
そして、ここの住人達はスポーツ好きです。
加えて、面白いことが大好きな人たちの集まりです。
それはマン島が、とても良い意味で少年の心を持ち続けながら大人になる環境を備えている証であり、そういう気持ちを失わないように子供を育てる風習や継承されている現実が、常に面白いことを歓迎する気質を持った人々を育てるのでしょう。
そんな訳で、Soapbox Derby(ソープボックスダービー)も愛されています。
Soapbox Derby(ソープボックスダービー)とは、動力を使用しない3輪~6輪までの車両で競われるダウンヒルレースで、世界中に愛好家が存在し、高い人気を保持しています。
Soapbox Derby(ソープボックスダービー)に出場する車両はほとんどが自作のオリジナルモデルです。
コンセプトも作り込みもそれぞれに特徴があり、投入されるコストも様々です。
世界で愛されるSoapbox Derby(ソープボックスダービー)ですが、その競技内容はショー的な要素が強いものが多く、様々なコスプレやパフォーマンスも加点対象で、純粋に走りだけで勝負するものは少ないそうです。
コスプレやパフォーマンスも加点対象になるだけに、ウケ狙いの車両がそのほとんどを占めていると言って良いでしょう。 言い換えれば、「ぶっ飛ぶ!」 「ぶっ壊れる!」を含めたおもしろコンセプトの車両が多く見受けられるということです。
ですが、ここマン島で開催されるSoapbox Derbyは、真剣なレースです。
出場する車両の速さも群を抜いています。
コースも高速設定で難易度が高く、フルフェイスのヘルメット装着が義務化され、怪我を防止するためのドレスコードも存在しています。
そこがマン島たる所以でもありますが、楽しむことと安全性を確保することには常に細心の注意を怠りません。
ここマン島の首都ダグラスで開催されるSoapbox Derbyは、安全性には最大限の注意が払われています。
ここで開催されるSoapbox Derbyは消防署の主催だからです。
加えて言えば、このSoapbox Derbyを主催する消防署には、かつての名ライダーであり、現在もTT、Southern100、Classic-TT、MGPすべてのレースでトラベリングマーシャルを務めるTONY DUNCAN(トニー・ダンカン)が勤務しているので、すべてにおいて高次元な安全対策が施されているのも納得がいきます。
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2019年8月31日。
Douglas(ダグラス)で開催された
Soapbox Derby
はマン島において二つのファーストタイムが記録されました。
一つ目のファーストタイムはSoapbox Derby初のリアルなサイドカーが出場したことです。
本格的な3輪のレーシングサイドカーであり、ドライバーとパッセンジャーによって操作される2人乗りの正真正銘リアルなレーシングサイドカーがはじめて出場しました。
これは繰り返し何度も会場でアナウンスされ、多くの注目を集めました。
(このサイドカーを一目見ようとかわるがわる多くの人がパドックを訪れ、写真を撮っていました。)
そしてもう一つは、マン島で開催されたSoapbox Derbyに初めて日本人チームが参加したことでした。
さらに付け加えると、このサイドカーも日本で開発されたものなのです。
今回Soapbox Derbyに参加したのは、このサイドカーお披露目という意味合いもありました。
何故お披露目が必要なのか?
それは、2020年からマン島のPEEL(ピール)という街で新たなサイドカーレース(世界選手権)が開催されるからです。
新たなサイドカーレース(世界選手権)が開催される?
Soapbox Derby参加者のみならず、マン島の住人達は強い興味と大きな関心を示しました。
また、Classic-TTとMANX GRAND PRIX直後のSoapbox Derby開催だったため、多くのライダーや関係者が観戦に訪れていたので、新たなサイドカーレース(世界選手権)についての話も盛り上がりました。
新たなサイドカーレース(世界選手権)がマン島で開催される? 何故新たなサイドカーレース(世界選手権)が開催される運びとなったのか? 何故このサイドカーが開発されたのか? 気になるのはライダーや関係者だけではありませんよね。
気になる人は、かなり気になる話でしょう!
ここマン島で開催されるTTレース、そしてSOUTHERN100は歴史的にもレーシングサイドカーの重要な戦場といえるレースで、言い換えればマン島=レーシングサイドカーのMecca(聖地)ともいえるのです。
しかし、かつてと比較するとレーシングサイドカーのマーケットは大幅な縮小傾向にあります。
その走りや、他では味わえないレーシングサイドカー独特の雰囲気にファンは多く、観戦者も多い。
だが、実際にレーシングサイドカーの世界に飛び込む人は極端に減少しているのです。
かつては100台あまりのレーシングサイドカーが参加し、しのぎを削ったTTにおいても2018には20台強の参加となり、予選落ちはなくなった。
参加車両はこれほどまでに減少したが、これに反して人気もあり、女性のドライバー/パッセンジャーが増加し、そればかりか台頭してきている現実もあり、このまま縮小傾向が続くことを何とか回避し、レーシングサイドカーの発展を促進したい。
という強い希望を持つ関係者達の話し合いが行われました。
そこで、なんらかのカンフル剤が必要だ!ということだけは間違いない!という満場一致の意見が出ました。
「しかし、具体的なアイディアや方法論がまったく思いつかない。」
ということで、ある男に相談が持ち掛けられました。
その結果、このレーシングサイドカーが誕生し、何故新たなサイドカーレース(世界選手権)が開催される運びとなったのです。
From here, each tourist, cameraman, editor and managing side of this race tell the story from their point of view.
ここからは、カメラマン、編集者、レース観戦者(旅人)など、それぞれの視点で、感じたことや想いを綴ります。
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